CaseStudy:17 農業体験をきっかけに八郷に移住
子育てに心強いママ友の存在

舟田 千紘 2015年 東京→茨城

「八郷との出会いは農業体験」

東京の派遣会社で働いていた舟田千紘さんが、茨城県に移住するきっかけとなったのは、大学の先輩から誘われて訪れた茨城県石岡市の八郷地区にある「organic farm 暮らしの実験室」だった。無農薬・有機栽培で農業を行うその農場で農業体験をした舟田さんは、自分と同年代の若者たちが活き活きと農作業をする姿に大いに刺激を受けた。その後、舟田さんは農場に月に1回ほど通いながら、自分たちの食料は自分たちで作るという、地に足のついたライフスタイルに次第に魅力を感じていった。農場は移住者が中心になって活動していたが、舟田さんは八郷地区の魅力をより多くの人たちに伝えたいと考え、親しくなった農場仲間を中心に「八豊祭(やっほうまつり)」というお祭りを企画した。藁を使った縄造り体験などの体験型プログラムを中心に、地元の食材をたっぷり使ったカフェをオープンするなど、2012年から2016年まで計5回が開催され好評を得た。その活動をとおして、移住者と地元の人がつながり、たくさんの知り合いを作ることができた。現在のご主人との出会いも農場だった。

「心強いママ友の存在と自然に恵まれた子育て環境」

八郷に頻繁に通いながらも、移住するまでは考えていなかったという舟田さん。移住を決意したのは、たくさんの人と人とのつながりが出来てから。子どもができても面倒をみてくれる親族が周辺にいなかった舟田さんにとって、移住者仲間でもあるママ友の存在は大きかった。子育てで分からないことを相談できるなど、大きな支えになってくれた。また、周辺の自然豊かな子育ての環境にも、魅力を感じている。山歩きなどを活動に取り入れ、のびやかな子育てを推奨している「やさと森のようちえん・あおぞら♪」に親子で参加し、同じ境遇のママ友との交流を楽しみながら、健やかに育つ我が子を見守る。

ご主人の靖章さんとの出会いも八郷だった。靖章さんの畑作業の傍ら家族全員で記念撮影。

八郷への移住を後押ししてくれたのは同じ境遇を持つママ友の存在。子育てをするにあたり相談できる相手がいることはとても大切。

山の中を散歩する「やさと森のようちえん・あおぞら♪」の園児たちをこの日案内してくれたのは八郷の山に詳しいNPO法人つくば環境フォーラムの野村眞一さん。

「八郷でお気に入りのパン屋さん」

「八郷にはおいしいパン屋さんが何軒かあるんですよ」と舟田さん。中でもお気に入りは素朴なイタリアパンが人気の「パネッツァ」。こちらのご主人も移住者のひとり。静かな環境でパンのことだけを考えて暮らしたいと八郷に移住してきた。

舟田さんのお気に入り「パネッツァ」のパンは、小麦粉、塩、水のみで作られる素朴なイタリアパン。酵母も小麦粉と水を混ぜて自然発酵させている。

古民家の蔵をそのままパン工房として使っている。蔵内に販売スペースは無いので、テーブルを外に出して販売するスタイルだ。

すべてのパンにパスタマードレ(酵母)として20%から30%のオーガニック全粒粉を使用。昔ながらのパン窯を使って焼き上げる。

魅力的な移住者の知り合いに囲まれ「八郷は濃いですよ」と舟田さんは微笑む。ほかにも、陶芸などのアートを仕事にする人、自分の家を自分で建てるセルフビルドを行う人など、それぞれ目的は違うが移住者(あるいは週末だけ八郷を訪れる人)が多くいて、つながりも深い。八郷地区はそういう個性豊かな面々が多くいる「濃い」エリアなのだ。
また、自然豊かな環境でありながら八郷地区は車を使えば意外と街中へのアクセスも良い。ちょっとお洒落なカフェに行きたいと思ったら笠間市へ、東京の友人に会おうと思ったらつくばエクスプレスの駅があるつくば市へそれぞれ1時間足らずで行ける。筑波山でハイキングをする時も登山道の入口まで車で20分と、気軽に行ける距離だ。周辺環境の充実や人と人とのつながりが、八郷で暮らす大きな魅力になっている。

舟田さんと八郷との出会いはここから始まった。ご主人の靖章さんも働く「organic farm 暮らしの実験室」のメンバーと語らうひと時。

「organic farm 暮らしの実験室」の畑で採れた白菜。無農薬・有機栽培で作られる野菜は、手間はかかるがおいしさはバツグン!

農場では「暮らしの実験麺」「暮らしの実験トマトピューレ」など、加工品の製造も行っている。評判は上々で、素材の良さがおいしさに反映されている。

舟田 千紘(ふなだ・ちひろ)プロフィール

1982年生まれ、福井県出身。東京の派遣会社に勤務していた際、茨城県石岡市八郷地区にある無農薬・有機栽培で農業を行う「organic farm 暮らしの実験室」で農業体験をする。同農場主催のイベント開催などをとおし、知り合いが増えたことで移住を決める。現在は子育てに専念しながら、農場近くのアパートに夫と子ども2人の4人で暮らしている。

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