CaseStudy:4 地元食材を活かすスローフードがイタリア料理の流儀
食の宝庫・茨城で地元産食材にこだわるプロフェッショナルたち

茨城レストラン フェリチタ
オーナーシェフ 高橋 哲朗

「地元茨城の食材を使ったイタリアンレストラン」

田んぼが目の前に広がる水戸市郊外にひっそりと佇む一軒家。看板を見なければ、ここが人気のイタリアンレストランであることを知る由は無いだろう。店内は、大きな窓から見えるのどかな田園風景や、余裕を持って配置されたテーブルなど、落ち着いて食事が楽しめる雰囲気。木の枝を彷彿とさせるユニークなデザインのシャンデリアが洒落ている。
このレストランの最大の特徴は、茨城の食材にとことんこだわり、それを使った料理が楽しめること。オーナーシェフの高橋哲朗さんは言う。

「例えばイタリアのジェノバ地方ではバジルがたくさん採れるのでバジルを使ったジェノベーゼというソースがあります。トスカーナ地方では豆がたくさん採れるので豆を使った郷土料理があります。イタリア料理では、その土地の食材を使った料理が当たり前なんです。だからぼくは、茨城で店を構えるからには、茨城の食材を使ったレストランにしようと思いました」
イタリアンレストランのオーナーシェフが地元である茨城の食材にこだわり、それを使った料理を作るということは、当たり前で自然な考え方なのかもしれない。いわゆるスローフードの考え方である。

「こだわりの料理人を支える魚と野菜のプロフェッショナル」

食材という点から茨城に注目してみよう。近海では新鮮な魚介類が手に入り、農業も盛んな茨城は食材の宝庫だ。食材選びに厳しい高橋さんだが、納得できる茨城の食材を手に入れるためには、協力してくれるその道のプロフェッショナルの存在がある。水戸市公設地方卸売市場内で仲卸商「有限会社吉河」を営む福地美之さんは、魚の目利きのプロフェッショナル。高橋さんとは『フェリチタ』開業前からの付き合いで、茨城産の新鮮な魚介類を手に入れたいというその情熱を深く理解してくれる。市場で扱う魚介類は茨城産のものだけではないが、茨城産の良いものが入ると、真先に顔が浮かぶのが高橋さんなのだと言う。「静かな方ですが内に秘めた闘志を感じます」と福地さん。「魚のことは自分に全部まかせてください」と力強く話していた。

那珂市で無農薬・自然農法の農場「POCO A POCO FARM」を経営する和知健一さんとは、高橋さんが和知さんのホームページを見て関心を持ち、訪ねていったことから付き合いが始まった。「信念を貫いて野菜作りをしている和知さんを見ると、自分もがんばらなくちゃと気持ちが奮い立たされます」と高橋さん。
一方で和地さんも高橋さんの料理を高く評価しており、互いに刺激し合う関係なのだそうだ。ほかにも高橋さんには、単に食材を仕入れているというだけではない、深い絆で結ばれた生産者との付き合いがある。そしてその付き合いが、こだわりの料理人を支えてくれている。

●有限会社吉河
魚を仕入れるのはこちらの「水戸市公設地方卸売市場」。正面に見えているのが、高橋さんが頼りにする魚介の仲卸商「有限会社吉河」。

●自然農法の野菜
自然農法の畑は野菜と雑草が共存する。それでも生き残る強い野菜だからこそ、その味は力強く濃厚だ。野菜好きにはたまらないおいしさ。

●野菜の仕入れ先
野菜の仕入れ先「POCO A POCO FARM」の和知さんと。おいしい料理を作るため、野菜について分からないことがあれば貪欲に質問し、理解を深めている。

●3名トーク
野菜、魚、料理のプロが一堂に。実際に料理を口にすることで互いの「こだわり」が一皿の料理に昇華することを改めて確認。感動を共有したひと時。

●調理中
真剣な表情で「会瀬産石鯛のカルパッチョ」を調理する高橋さん。盛り付けの美しさはたくさんの人から高い評価を得ている。

●内観
窓が多く自然光がたくさん入る明るい店内。テーブルは余裕のある配置で、落ち着いた雰囲気の中、ゆっくりと食事が楽しめそう。

高橋 哲朗(たかはし・てつろう)プロフィール

1981年 茨城県那珂市生まれ。21歳の時に料理の世界へ入り、イタリアンレストラン、フレンチレストラン、居酒屋などで経験を積む。28歳の時にオーナーシェフとして、イタリアンレストラン「茨城レストラン フェリチタ」を茨城県水戸市内にオープン。

●料理
見た目も美しい茨城産の食材にこだわった料理。「食材の魅力を最大限に活かすのが料理人の仕事」というのが高橋さんの考えだ。

●平潟港目光のフリット
タイムの爽やかな香りと酸味をきかせたヴィネグレット

●アサリと那珂市産の春キャベツの甘みとセルバチコの辛味パスタ

●大洗産黒鯛の網焼き
スナップエンドウのソースと地場のお野菜に囲まれて

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