CaseStudy:3 世界で活躍した敏腕シェフが茨城で作る体にやさしい西洋料理
街を盛り上げるにはその土地の文化を育てることが大切!

Restaurant Aoyama オーナーシェフ 青山 雅樹
台湾→茨城 Uターン 2014年

「世界を渡り歩く敏腕シェフの大切にするもの」

水戸市赤塚にある健康指向のレストラン『Restaurant Aoyama』のオーナーシェフ・青山雅樹さんは、料理人として華麗な経歴を持つ。地元の高校卒業後、東京のホテルやフレンチレストランで料理人としての修行を積んだあと、26歳の時にカナダ総領事館のシェフに抜擢。その後もスイス・ジュネーブの日本政府代表部のシェフ、台湾の日本交流協会(大使館にあたる)のシェフを務めるなど、世界でその腕を遺憾無く奮ってきた。始めこそ特に思い入れもなく選んだ料理人の道だったが、「自分は料理人に向いている」と思ってからは責任感を強く持って仕事に励むようになったそうだ。その理由というのがユニークで、当時、中間管理職の立場にあった青山さんだったが、人間関係がうまくやれている自分に気付いた時、「料理人に向いている」と思ったそうだ。一流の料理人でありながら、料理を作ることよりも人とのコミュニケーションを大切に捉えるあたりが、青山さんの個性であり稀有な才能と言えるだろう。

「ドクターレストランという考え方と目指すべき道」

順調に料理人としての道を歩んでいた青山さんだったが、転機が訪れる。カナダ総領事館で働いていた時、世話になっていた人が病気になってしまう。自分に何かできることは無いかと考えた時に、おいしいだけではなく、もっと体のことを考えた料理を作りたいと思うようになった。さらに、台湾で働いていた時に父親が病に侵されてしまう。ガンだった。時間を見つけて帰国した時、外食をしようということになったが、病人を受け入れてくれるレストランが見つからなかった。また、(病人と一緒に)食べに行きたいと思える店も無かった。その後、残念ながら青山さんの父親は亡くなってしまったが、この時の思いが強く残ることになった。

「ドクターズレストラン」というジャンルがある。医師がメニュー作りに参画し、体に良い食事を提供してくれるレストランだ。青山さんはもちろんその存在は知っていた。しかし、純粋にレストランとして見た時に、心魅かれる店が見つからなかった。ならば自分で作ってしまおうと思い始めた時、初めて独立を考えるようになった。
そして2014年11月、生まれ故郷の茨城県水戸市赤塚に自分の店をオープン、オーナーシェフとなった。基本はカジュアルなフレンチレストランだが、美味しくて健康のためになるメニューを出してくれる店として人気を博している。医師ではなく料理人主導なので「ドクターズレストラン」と言うと語弊があるが、目指す方向性は一緒だ。
栄養学を専門とする茨城キリスト教大学名誉教授の川上美智子氏をプロデューサーに迎え、美味しさの追求という点では青山さん自らが腕をふるっている。店は健康志向の強い人たちの間でたちまち評判になり、連日大勢の人が訪れている。店は地産地消を意識し、茨城産の食材を多く使っていることも特徴だ。

「街を元気にするためにはその土地の文化を育てることが大切」

青山さんが約20年ぶりに生まれ故郷の水戸市赤塚に戻って来た時、実用的で便利になった反面、「趣味が無い」と感じたそうだ。青山さん独特の感じ方だが、出店した赤塚駅南口付近には、遊び心やこだわりを持った個人店が少ない。もっと魅力的な個人店がたくさん出店してくれる街になってほしいと思った。「きっかけがあればこの街は変わる」と確信した青山さんは、「赤塚フェスティバル」と銘打ったイベント開催を皮切りに「赤塚駅南口商店会」を立ち上げる。その後も間髪入れずに商店会主催で「赤塚パスタフェス」、「赤塚青空朝市」といったイベントを駅南口の赤塚駅前広場で開催してきた。

イベントは徐々に盛り上がりを見せ、活動に賛同してくれる人たちも増えてきた。特に手応えを感じるのは「赤塚パスタフェス」。赤塚駅前には以前、製粉工場があったこともあり、パスタイベントが盛り上がるルーツになっているのかもしれない。「街を盛り上げるためには、その土地の文化を育てることが大切」と青山さんは話す。世界を渡り歩いて来た青山さんは、規模こそ小さいが世界に向けた発信力を持つ「街」をいくつも見て来た。赤塚をそんな理想の「街」に変えていくことは簡単では無いかもしれないが、不可能では無いと青山さんは信じている。赤塚が「パスタの街」として全国に名を馳せる日が来るのも、そう遠くない未来かもしれない。

ヨークタウン赤塚ショッピングセンター内にあり、カジュアルな雰囲気なので入りやすい。フランス料理を中心に「体にやさしい西洋料理」を提供している。

白を基調とした店内は、窓が大きく自然の光が入って明るい。カジュアルさと高級感のバランスが良く、くつろいで食事が楽しめそう。

青山 雅樹(あおやま・まさき)プロフィール

1977年 茨城県水戸市生まれ。水戸市立赤塚小学校・赤塚中学校、茨城県立水戸桜ノ牧高等学校を卒業後、料理の道へ入る。東京のホテルで修行後、東京赤坂のフレンチレストランを経て、26歳の時にカナダ総領事館のシェフに抜擢される。その後も29歳の時にスイス・ジュネーブの日本政府代表部のシェフ、34歳の時に台湾の日本交流協会(大使館にあたる)のシェフを務めるなど世界で料理の腕をふるう。2014年11月、37歳の時に生まれ故郷である茨城県水戸市赤塚に体にやさしい西洋料理を提供する『Restaurant Aoyama』をオープン。オーナーシェフになる。レストランを経営する一方、商店会を立ち上げ、イベントを主催するなど、地元赤塚を元気にする活動を積極的に行っている。

青山さんが街を元気にするための取り組みの一つ『赤塚青空朝市』の様子

●イベント
「赤塚青空朝市」で出展者とコミュニケーションをとる青山さん。将来的にはヨーロッパのマルシェのようなイベントに成長させたいのだとか。

●みとちゃん
水戸市マスコットキャラクターの「みとちゃん」も遊びに来ていた。行政も一帯となって赤塚駅南口エリアを盛り上げて行く!

●会場の様子
「赤塚青空朝市」が開かれる「赤塚駅前公園」。現在は1年に2回程度の開催だが、将来的には月1回開催のイベントに成長させたいそうだ。

●鉄砲塚精四朗のジャム
人気急上昇中の「鉄砲塚精四朗のジャム」も出展。自家農園で栽培された完熟果物で作る手作りのジャム。もちろん保存料・着色料はゼロ。

●ドメーヌ水戸
水戸市の泉町でワインの醸造を行う「ドメーヌ水戸」のブース。ワインと共に「まちなかワイナリー」のコンセプトを来場者に向けてPR。

●赤塚駅南口商店会のブース
「赤塚駅南口商店会」ブースではキッズジュースを販売。買った人はサイコロが振れて、当たるとキャンディがもらえるというお楽しみ付きで盛り上がった。

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