CaseStudy:2 目の前の大洗漁港から直送する新鮮な魚介類が人気!
茨城の海で働く「かあちゃん」の漁師料理を味わう
大洗町漁協直営店 かあちゃんの店

大洗のかあちゃん 髙橋 早苗
北海道 → 茨城 56年間在住

「漁協直営店の強み、素朴な漁師料理が大人気」

大洗漁港の港内にある大洗町漁業協同組合の直営店。目と鼻の先に市場があり、そこから直接運んでくる魚介類の新鮮さはこの上無い。働いているのは、全員漁師の奥様方、いわゆる「かあちゃん」だ。魚のことなら誰よりも詳しい「かあちゃん」たちが腕をふるう素朴な漁師料理が大人気。「かあちゃん」たちの年齢層は比較的高く40代から80代までだが、元気に働くその姿は見ていて気持ちが良い。それもあってか、平日でも300食以上、休日はその倍以上の注文が入るという人気ぶりなのだ。

メニューを見ると、かき揚げと刺身のセット(かあちゃん御膳)とか、煮魚と刺身のセット(とおちゃん御膳)とか、構成はとてもシンプル。その日に獲れた新鮮な魚介類は刺身や煮魚などの中に盛り込まれる。この店の煮魚の味付けに惚れ込むファンがいる。和風割烹などで出てくる煮魚は上品な味付けが多いが、「かあちゃん」が作る煮魚は甘じょっぱく、おかずとしてご飯をもりもり食べられる。この味付けが好きなんだ!というファンが急増中で、2号店(場所はすぐ隣り)を出すほどの盛況ぶりだ。今日も「かあちゃん」の元気な掛け声が、店内に響き渡る。

「時化の日でも、80歳を超えても、元気に働ける職場」

漁師という仕事は天候によって左右されてしまう。時化(しけ)の日が続くと漁に出られず、おまんまの食い上げになってしまう。宿命的な課題だが、「かあちゃんの店」があることで、安定した雇用が確保されている。この仕組みを作り上げた「大洗町漁業協同組合」は素晴らしい。雇用の創出というと、大きな会社が外から進出してきて、というパターンが多いが、自分たちで雇用の場を作り上げたのだ。しかも、人材を有効に活用している。

定年も無いので、70代、80代という高齢者が生き生きと働いている。高齢化というこれからの日本の課題を解決する糸口になりそうな、全国的に見てもお手本になるケースだろう。元気に働く「かあちゃん」たちの姿に誘われて(そしてもちろん新鮮な漁師料理に誘われて)、「かあちゃんの店」は今日もたくさんの人たちでにぎわっている。

●かあちゃん御膳
大きなかき揚げが2つとお刺身が付くボリューム満点の『かあちゃん御膳』1,300円。かき揚げには自慢のシラスのほかその日によって白身魚などが入る。

●しらす洗い
生シラスの下ごしらえ中。手際良くやるのが新鮮さを保つ秘訣だ。ほんのちょっとした一手間を加えるかどうかで味に違いがでてくる。

●しらす水揚げ
シラス水揚げの様子。みんなで力を合わせて船から引き上げる。箱の中には新鮮なシラスがたっぷり入っているため、なかなかの力仕事。

●しらす丼
新鮮なシラスがたっぷり入った『生しらす丼定食』900円。シラスは目と鼻の先の大洗漁港から水揚げされたばかり。

●開店前準備
開店前の準備の様子。和気あいあいとした雰囲気ながらも手を動かすスピードはゆるまない。魚の扱いに関しては全員プロ級の腕前だ。

●仕入れの様子
店で出す魚の仕入れ、といっても漁協直営のため、今日使う分を取り分けるようなイメージ。簡単そうな作業にも見えるが、目利きのプロだからできる技。

●鮮魚
この日はこんなに大きなヒラメが揚がった。来店した人はこの新鮮なヒラメにありつける。メニューは水揚げによって変わるので毎日楽しみ。

●お店の外観
お昼時にはいつも行列ができる人気店。平日で300食、休日はその倍の注文があるそうだ。外観にメニューが大きく書かれていて一目瞭然!

髙橋 早苗(たかはし・さなえ)プロフィール

北海道生まれの77歳、茨城県大洗町在住。21歳の時に大洗で漁師を営む現在の旦那さんの元へ嫁ぐ。以来、漁師の妻一筋。大洗町漁業協同組合・前婦人部長。

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